高次脳機能障害の冊子

今年に入って公益財団法人日本対がん協会のホームページのひとつ「がんサバイバークラブ」で、毎月1冊良質な闘病記を紹介するコーナーを担当するようになり、もっぱらがんの闘病記を読んでいます。

(最新の記事→)https://www.gsclub.jp/tips/14095

 

そんな中、脳損傷友の会高知青い空女子会さんより『高次脳機能障害 当事者・家族の知恵袋』という冊子をいただきました。

 

高次脳機能障害とは「脳梗塞脳出血くも膜下出血などの脳血管障害や、各種の事故による脳損傷、様々な脳の病気などによって脳の細胞に損傷が加わると、生まれてからそれまでに築き上げた脳の神経連絡網が壊れてしまいます。結果として、その人の年齢に応じた適切な認識や行動ができなくなります。その状態を高次脳機能障害と言います」。(同冊子より)

この冊子には、高次脳機能障害のさまざまな症状を紹介し、それへの対応と専門家のアドバイスを紹介しています。

イラストが多く、文章も大きく読みやすくなっています。

とりわけ家族には役立つ冊子と言えます(当事者は自分の障害を認知できない場合が多く、当事者にも役立つとは言い切れないのが、がんの冊子との大きな違いです)。

 

ところで、本文にちょこっと書かれていますが、「この障害への社会的認知度が上がると、もう少し早く気づけるようになると思います。」、確かにそうだと思います。

認知症発達障害については、なんとなく社会的に認知されていると思います。

でも、例えば、易怒性、つまりキレるという症状は、認知症にも発達障害にも見られるため、ひょっとすると高次脳機能障害とは判断されず、間違った治療を施されるということにもなるでしょう。

すぐ疲れて、やる気がない、物覚えが悪くなった、人の顔を覚えられない、すべて高次脳機能障害の症状ですが、認知症でも発達障害でも見受けられる症状でもあります。

もっと社会的認知度が上がれば、高次脳機能障害に早く気づけて、正しい対処の仕方がされると思います。

高次脳機能障害 当事者・家族の知恵袋』のような冊子が色々なところから出されて、高次脳機能障害の社会的認知度がアップすることを期待しています。